あなたが住んでいる地域の家や土地がどれほどの金額であるか、気になったことはありませんか?その価値を把握することで、将来的に親族に遺産として残したり、住み替えや他の目的で売却を考えたりする際に役立ちます。
意外な事実として、故人の約11人に1人が相続税の申告をしているというデータがあります。国税庁の「令和3年度 相続税申告の概況」によれば、相続によって税金が課せられるケースは全体の9.3%に上り、相続税の申告で最も多いのが土地で、その割合は約三分の一です。
家や土地を所有していえる人は、10%の確率で相続税が関係してくる可能性があります。
相続される土地の価値を知ることで、自己の資産総額を概ね把握できるようになります。では、所有する不動産の価値をどのように調べればいいのでしょうか?
本記事では、土地の価値を調査する方法の一つ、「路線価」について、その概要を簡単にご説明します。
路線価とは、国税庁が毎年7月1日に発表する、日本全国の市街地における1平方メートル当たりの土地の基準価格です。この価格は、相続税や贈与税の計算時に、土地の形状などに基づいて修正され、土地の面積に乗じて最終的な土地の評価額が算出されます。路線価を用いた土地評価は、公示地価などの市場価格の約80%で設定されているため、実際の市場価格を推定する際には、この価格を基に計算することが可能です。
家や土地の価格は、「なんのためにその価格を算定するのか?」によって物差しが変わります。その例が、路線価と市場価格の違いです。
路線価によって算出された市場価格は、実際の取引価格とは異なることがあります。地域によっては市場価格が路線価を上回ることも、逆に下回ることもありますので、注意が必要です。
路線価を調べる方法 路線価を調べたい場合、まずは検索サイトで「路線価図」と検索し、「財産評価基準書|国税庁」のウェブサイトを訪れます。次に、最新の情報や特定の年度の情報を探したい場合は、該当する年度のタブを選択し、地域を選ぶことで詳細情報にアクセスできます。
路線価図の解読 対象地が特定できたら、路線価を確認します。例えば、土地が面する道路の記載が「44E」とあれば、1平方メートルあたり44,000円の価値があることを意味します。「E」は借地権割合を示しています。路線価と面積を掛け合わせることで、土地の概算価格を出すことができ、これを0.8で割ることで市場価格の目安を得ることができます。
路線価を知ることの重要性 路線価を知ることは、相続税の評価基準を理解する上で重要です。不動産の価値を知ることで、遺産分割や相続税の計画を立てやすくなります。また、生命保険を適切に活用することで、相続税の負担を軽減し、遺産分割をスムーズに行うための資金を確保することも可能です。
不動産やその他の財産についての理解を深め、将来の計画に役立てるための一助となれば幸いです。