遺言の方法と自筆証書遺言保管制度

遺言書の安全な保管と作成のための新しい仕組みが注目を集めています。日本の民法には主に三つの遺言方式が存在し、それらは自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言として知られています。自筆証書遺言は個人が自ら書く形式、公正証書遺言は公証人によって作成され、秘密証書遺言は内容を秘密に保持できる特徴があります。一般的に多く利用されるのは自筆証書遺言や公正証書遺言です。

公正証書遺言は公証人が関わるため、形式に関する不備が少なく、保管も公証役場で行われるため安全です。しかし、この方法は数万円の費用がかかります。

それに対して、自筆証書遺言は費用がかからないものの、内容に不備があると無効となるリスクや紛失の恐れがありました。この問題を解決するために、2020年に「自筆証書遺言書保管制度」が導入されました。この制度では、自筆の遺言を法務局で保管し、形式に関する外形的な確認も行います。手数料は一件あたり3900円で、方式の不備や紛失のリスクを軽減します。遺言者はいつでも自分の遺言を閲覧したり、保管の申請を撤回することも可能です。

さらに、遺言者が亡くなった後、相続人には遺言書の保管情報が通知され、相続人は遺言の内容を法務局で閲覧できます。これにより、家庭裁判所による遺言の検認手続きが不要になるなど、さまざまなメリットが提供されています。

遺言は、残された家族のためにも作成を検討しましょう。財産の多寡に関係なく多くの方が遺言を書くことによって手続き上、困らなくなる場合が多くなります。

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