解約返戻金とは?
解約返戻金は、保険の契約期間中に解約した場合に契約者に払い戻される金額です。これには、養老保険、学資保険、個人年金保険など貯蓄性のある保険が含まれます。
保険料は、保障に使われる部分と運用に回される部分があり、途中で解約すると運用部分の一部が解約返戻金として戻ります。ただし、短期間で解約すると、解約返戻金は少なくなる傾向があります。これは、支払った保険料の一部が契約の事務・営業費用に使われるためです。
解約返戻金と満期保険金は異なります。解約返戻金は保険期間中に解約した場合に受け取れますが、満期保険金は保険契約の満期を迎えた場合に受け取れます。
解約返戻金には以下の種類があります。
- 従来型: 保険料を支払っている期間中は解約返戻金が増加し、支払い期間終了後も引き続き増加します。
- 低解約返戻金型: 支払い期間中の返戻率を低く抑え、保険料を安く設定。支払い期間終了後は返戻率が上昇します。
- 無解約返戻金型: 解約返戻金がないタイプの保険で、保険料を低く抑えています。
解約返戻金を受け取れる保険には、養老保険、学資保険、個人年金保険などの貯蓄性のある保険があります。また、終身保険にも解約返戻金がついている場合があります。ただし、解約の時期や保険の種類によっては解約返戻金が支払われないこともあります。
「保険は解約すると解約返戻金が受け取れる」と全ての保険種類について思っている方は少なくありません。しかし、保険種類によって異なりますし、払い込んだ保険料より少なくなるのが一般的です。注意をしましょう。
解約返戻金の割合を返戻率といい、これは以下の式で計算されます。
返戻率 = (受け取り金額の合計 ÷ 払込保険料総額) × 100(%)
返戻率が100%を超えると運用としてプラスになりますが、100%未満だと元本割れになります。同じ保険でも、契約者の年齢や性別、保険料の払込期間や支払い方法によって返戻率が変わります。
保険料の支払い方法には、月払い、半年払い、年払い、一時払い、全期前納があります。
- 月払い: 毎月支払う方法。
- 半年払い: 6ヶ月分ずつ支払う方法。
- 年払い: 1年分ずつまとめて支払う方法。
- 一時払い: 全額まとめて支払う方法。
- 前納払い: 期間分の保険料をまとめて支払う方法。中途解約すると未充当分が返金されます。
契約者本人が受け取った解約返戻金は一時所得として所得税の課税対象となります。一時所得の計算式は以下の通りです。
所得税の課税対象金額 = (解約返戻金 – 払込保険料累計金額 – 特別控除50万円) × 1/2
この金額に所得税率(5%から45%)をかけると所得税額が計算されます。ただし、解約返戻金が払込保険料よりも少ない場合や差益が50万円未満の場合には所得税はかかりません。また、死亡保険金として遺族が受け取った場合には相続税の対象となります。
解約すると保障がなくなりますので、必要な保障を確保してから解約することが重要です。解約返戻金の金額は、保険会社の契約者専用窓口やカスタマーサービスで確認できます。また、短期間で解約すると元本割れのリスクがあります。再加入時には保険料が上がる可能性もあるため、掛け捨て型の保険に加入するか、貯蓄型の保険を一部解約して保障を残す方法も検討しましょう。
解約返戻金の金額は、保険会社に問い合わせることで確認できます。解約前に必要な保障を確保し、解約返戻金の金額を確認してから手続きを進めましょう。
解約返戻金を目的の1つとして契約をする場合には、解約返戻金の特徴などをしっかり担当者から教わるようにしましょう。