「パート代をもう少し増やしたいけど、税金や扶養のことが心配…」「年末調整で損をしていないかな?」
家計を預かる主婦の方にとって、「税金」は複雑で避けがちなテーマかもしれません。しかし、日本の税金の仕組みを少し知っているだけで、家計に残るお金は大きく変わります。今回は、パートで働く主婦の方が特に知っておきたい、**「年収の壁」と、誰でもできる「節税テクニック」**をご紹介します。
パートで働く主婦にとって最も意識する**「103万円の壁」。これは、主に「税金」**に関する壁です。
- 103万円を超えるとどうなる?
- あなた自身:103万円を超えた分に対し、所得税(約5%)がかかり始めます。
- 夫(配偶者):夫が受けていた「配偶者控除」が一部または全額受けられなくなり、夫の税金が増えます。
この壁を超えると一時的に「世帯の手取り」が減る時期がありますが、年収が増えるほど手取りも増えていく仕組み(配偶者特別控除)になっています。大切なのは、この壁を**「超えるか超えないか」ではなく、「世帯の手取り」**を計算して、計画的に働くことです。
一年間の医療費が一定額(原則10万円)を超えた場合、税金が戻ってくる**「医療費控除」**は、主婦の方がぜひ知っておきたい節税テクニックです。
- 家族全員分を合算できる:夫、子ども、あなた自身が支払った医療費を合算できます。
- 対象になる費用:病院の診察代、薬代、入院費、通院のための公共交通機関の費用などが含まれます。
領収書の保管さえしておけば、翌年の2月〜3月に確定申告を行うことで、税金が戻ってきます。「去年、子どもの通院が多かったな」と感じたら、必ず領収書を確認しましょう。
「ふるさと納税」は、実質2,000円の負担で地域の特産品がもらえる、最もメリットの大きい節税テクニックの一つです。
これは、本来支払うべき住民税の一部を、応援したい自治体に「寄付」する制度です。寄付した金額のほとんどが税金から控除されるため、実質2,000円の負担で、お米やお肉、果物など豪華な返礼品が手に入ります。
- 誰の名義でやるか?:**納税額が多い人(主に夫)**の名前で寄付をしましょう。控除の上限額は夫の年収によって決まります。
- ワンストップ特例制度:会社員で年間の寄付先が5自治体以内であれば、確定申告が不要な**「ワンストップ特例制度」**が利用でき、手続きも簡単です。
税金は難しいものではなく、**「知っている人だけが得をする制度」**です。
今日ご紹介した「医療費控除」や「ふるさと納税」といったテクニックを上手に活用することで、日々の努力で稼いだお金を、無駄なく家族の貯蓄に回すことができます。
この機会に、ご家庭の年収や支出を見直して、賢く家計を守る一歩を踏み出してみませんか。