予定利率が高い保険はお宝保険?

近年、掛け捨てタイプの保険料は安くなってきていますが、貯蓄型の生命保険の予定利率は低迷しています。そのため、保険の切り替えに迷っている方も多いでしょう。特に1999年2月のゼロ金利政策導入前に契約した保険は、現在の保険に比べて予定利率が1%以上高いことが多く、解約に抵抗を感じることが一般的です。ここでは、既存の保険を続けるべきか、新しい保険に乗り換えるべきかを判断するための方法をご紹介します。

予定利率とは?

まず、「予定利率」と「実質利回り」は同じではないことを理解しましょう。予定利率が1.5%だからといって、実際の利回りが同じとは限りません。予定利率は、保険料の一部を運用する利率であり、実質利回りとは異なります。例えば、ニッセイ基礎研究所のデータを基に計算すると、予定利率1.50%でも実質利回りは0.405%となっています。

予定利率=実際に契約者が享受することができる利回りではありません。

返戻率を活用する

予定利率と実質利回りが異なるため、保険を継続するかどうかを判断する際には、返戻率(%)を参考にするのが有効です。返戻率は「受取総額÷払込保険料総額×100」で計算できます。100%未満の場合、元本割れをしていることになります。

実例で見る返戻率の計算

例えば、1983年に27歳で30年満期の養老保険に加入したAさんのケースを見てみましょう。Aさんの保険は予定利率5%の時代に契約され、満期保険金は150万円、毎月の保険料は4,125円でした。この場合、返戻率は101.01%で、実質利回りは0.069%となります。

Aさんの契約には入院給付金などの特約が付いており、その分保険料が高くなっています。そのため、返戻率が低くなっています。もし、当時の郵便局の定額貯金に預けていれば、年利6%で運用できた時代です。

保険の貯蓄性を見直す

予定利率が高い時代に契約した保険でも、貯蓄性が高いとは限りません。返戻率を計算し、現在の金融商品と比較して、保険を継続する価値があるかどうかを判断しましょう。以下に返戻率一覧表を示しますので、あなたの保険の価値を確認してみてください。

予定利率が高い=良い保険というわけではありません。また逆に予定利率が低いから悪い保険というわけでもありません。あなたのニーズなどによっても変わってくるのでしっかり専門家と検討をしましょう。

error: Content is protected !!